技術翻訳は、言葉の正確な選択が求められる分野です。コンピューターやソフトウェア関連の文書では、日本語の「設定」と「セットアップ」という用語はしばしば登場します。これらの用語は英語の “setting” と “setup” にそれぞれ対応し、コンテキストによって適切な用語の選択が重要になります。


設定 (Setting)

「設定」は主に既存のシステムやプログラムのパラメータやオプションを調整する行為を指します。例えば、ソフトウェアの設定画面でユーザー名やパスワードを入力したり、表示言語を選んだりするアクションは「設定」と表現されます。

既存の環境やプラットフォーム上で特定の変更を行うことを意味することが多いため、「設定」という用語は、ユーザーが既に使えるシステムやソフトウェアの一部を変更する際に用いられます。


セットアップ (Setup)

一方、「セットアップ」は新しいシステムやソフトウェアをインストールし、初めて使用可能な状態にする行為を指します。新しいコンピューターやプリンターをセットアップする際に、必要なハードウェアを接続し、ソフトウェアをインストールし、基本的な設定を行うことが含まれます。

「セットアップ」という用語は、新しい環境の構築や初期構成を指すことが多く、システムやソフトウェアが使用可能な状態にする初期の段階を表します。


まとめ

これらの違いを理解することは、技術文書の翻訳において非常に重要です。原文が英語で書かれている場合、”setting” と “setup” の違いを正確に理解し、日本語に適切に翻訳する能力は、翻訳の質を大きく向上させる要素となります。

さらに、コンテキストによっては、これらの用語をどのように使い分けるかが明らかでない場合もあります。そのような場合には、原文の意図と文脈を慎重に考慮し、適切な日本語の用語を選ぶことが重要になります。

翻訳者としては、常に原文の意図と文脈を理解し、そして言葉の選択において慎重になることが求められます。技術翻訳の世界では、微妙な言葉の違いが、読者にとって大きな違いをもたらすことがあります。