API (Application Programming Interface)の開発や文書化のプロセスにおいて、言葉の選択は非常に重要です。特に、異なる言語間での語彙の違いは、技術文書の正確さと明確さに大きく影響を与えます。今回は、APIの文脈でよく使われる “verb” という用語に焦点を当て、英語と日本語の間でどのような違いがあるのかを考察します。


英語では”verb”

英語では、APIの文脈において “verb” は通常、HTTP メソッドを指します。これらのHTTP メソッドは、インターネット上でデータを送受信するための「動作」または「方法」を表現するもので、例えば GET, POST, PUT, DELETE などがあります。”verb” という言葉は英語文法における動作を表す単語としても知られているため、HTTP メソッドを “verb” と呼ぶのは直感的で、技術者にとっては自然に感じられます。


日本語では「HTTPメソッド」

しかし、日本語においては状況は異なります。日本語では「動詞」という言葉は主に文法の文脈で使われ、技術的な文脈で使われることは少ないです。日本語で「動詞」と言うと、多くの読者は文法的な意味での動詞を想像する可能性が高いです。したがって、日本語の技術文書では、HTTPメソッドを示す際に「HTTPメソッド」や「HTTP動詞」という表現を用いることが一般的です。これにより、技術文書の読者に対して、文脈をより明確に伝えることができます。

さらに詳しく

HTTPメソッドはAPIコンテキストにおいて「動詞(Verbs)」と呼ばれることがあります。これは、HTTPメソッドがクライアントがサーバーに対して何を行いたいのか、つまり「何をする(Do What)」のかを指定するためです。各HTTPメソッドは、特定のアクションを表現し、それによってリソースに対する異なる操作を行います。以下に、HTTPメソッドとそれが示すアクションの例を示します。

  • GET: リソースを取得(Retrieve)
  • POST: リソースを作成(Create)
  • PUT: リソースを更新(Update)
  • DELETE: リソースを削除(Delete)

これらのアクションは、通常の英語の「動詞」と同様に、何かを「する」ことを表します。しかし、これを日本語に翻訳する際に「動詞」という言葉を使うのは自然ではないため、「HTTPメソッド」または「HTTP動詞」という表現が使われることがあります。これは、技術文書やコミュニケーションにおいて専門用語として受け入れられている表現です。

HTTPメソッドは、クライアントとサーバー間の通信において、どのような操作が必要かを明確にする重要な役割を果たしています。これにより、開発者はAPIのエンドポイントを設計し、どのHTTPメソッドがどのエンドポイントでサポートされているのかを明示することができます。これはAPIの使用を容易にし、エラーや誤解を減らす助けとなります。

また、APIの文脈において「動詞(Verb)」という言葉は、標準的なHTTPメソッドだけでなく、カスタムHTTPメソッドや他の種類のAPI動作を表すためにも使用されることがあります。これにより、APIの設計者と使用者は、APIが提供する機能とそれがどのように動作するのかをより明確に理解することができます。


まとめ

このように、英語と日本語の間での微妙な語彙の違いは、APIの文書化において重要な要素となります。翻訳者や技術ライターは、このような言語間の違いを理解し、それに応じて適切な言葉を選ぶ必要があります。これにより、技術文書の質を向上させ、より多くの読者に対して明確かつ正確な情報を提供することができます。